はじめに
板橋区では、区民一人ひとりが身近な環境を観察することを通して、環境を見つめ直し、また環境への理解を深めていただくことを目的として、1989年から区民による「かんきょう観察事業」を行っています。
1995年に開設された板橋区立エコポリスセンターが、この「かんきょう観察事業」を引き継ぎ、大きく分けて3つの分野(①一斉調査②自由研究③地域自主活動グループ)で活動を行っています。
地域自主活動グループとは、かんきょう観察員同士で、地域やテーマを決めてグループで観察していくもので、1999年から開始し、現在5グループが毎年自主的に活動しています。
その中の一つである「板橋区の蝶を調査する会」は2005年に発足し、これまでに、区内で見られる蝶の調査記録を取り続けてきました。
その記録を図鑑に残し、子どもから大人まで幅広い年齢の方々に見ていただきたいという「板橋区の蝶を調査する会」の想いと、インターネットで情報を公開することにより、皆様に広くご利用いただきたいというエコポリスセンターの想いが一致し、今回のデジタル図鑑制作に至りました。
「板橋で見られる蝶 デジタル観察図鑑」をご覧になった皆様が蝶をはじめとした生物に対する愛着を深め、ひいては豊かな自然環境と生物多様性の保全につながりましたら幸いです。
2019年3月
板橋区立エコポリスセンター
板橋区の蝶を調査する会よりごあいさつ
皆さんは身の回りでどのような蝶をご覧になるでしょうか?アゲハやクロアゲハといった大型の蝶は良く目につきます。モンシロチョウは最も馴染みの深い蝶のひとつです。大きな蝶や色彩が目立つ蝶は、歩いている時でも飛んでいるのが分かります。足を止めて周りを見て頂くと、足元の草むらに小さな蝶が飛んでいるのを見ることができます。更に注意深く見ると、同じ大きさや色彩の蝶であっても種類が異なる場合があります。
日本では約250種類の蝶が確認されています。では板橋区には何種類の蝶が生息しているのか?「板橋区の蝶を調査する会」は2005年から区内の公園、植物園、荒川河川敷等で蝶の観察を続けてきました。「板橋区の蝶を調査する会」会員からの情報、当会の定期観察等により、これまでに53種類の蝶を観察しました。これまで撮影してきました写真を取りまとめ、2019年に蝶のデジタル図鑑としてエコポリスセンターの協力の基に、同サイトに掲載しました。
また、その後2種類の蝶を新規観察し、2020年及び2023年に蝶の写真を追加、及び不足していた卵・若齢幼虫・幼虫・蛹の写真を大幅に補強しました。
板橋区には公園、植物園、荒川河川敷といった豊かな自然環境があり、多くの種類の樹木・草花が見られ、蝶にとっては絶好の生息環境となっています。温暖化に伴いツマグロヒョウモンやナガサキアゲハ等、それまでは東京で見られなかった蝶も観察できるようになりました。イチモンジチョウやオナガアゲハ等日頃は見ることのできない蝶を観察する機会も出てきました。この図鑑が皆様の観察のお役に立てば幸いです。
2019年3月
2023年9月(追記)
板橋区の蝶を調査する会